電子帳簿保存法の対策

恐らくなんですが....各企業様におかれましては、電子帳簿保存法などよりも「インボイス対応なるもの」の方が焦眉の課題と言うか、10月末の請求書を巡って混乱し始めているのではないかとお察し申し上げます。
弊社のお客様先でも「取引先から質問(と言うかクレーム?)来てるんだよね〜」というお話が出始めており、これは年末にかけて混乱するんだろうなあと既に憂うつです。
が、このインボイス制度に関しては100%の正解がみえていない(模範解答は参考にならないケースが多いように思います)と考えておりますので、慌てて請求書にあれこれ手を加えずに、少しずつ見直していくしかないんじゃないかなと思っているところです。
で、本題の電子帳簿保存法。概略とか何の意義があるのか?と言った点の説明は先人にお願いするとして、弊社ではこんな形で対応しようと思っています、という点についてご紹介させて頂きます。

1.電子帳簿保存法を考慮しなければならない資料
弊社で取引先から見積書や請求書を受領する際、取引先によってはメール或いはサイトからPDFダウンロードと言うパターンと、郵送で送付されているパターンが混在しています。と言う訳でメール添付やダウンロードするPDFファイルの電子帳簿保存法対応を考えなくてはなりませんね。

2.処理すべきデータ件数
とは言えそれらのPDFファイル件数は月に100件には及びません。いや、ちょっと見栄を張りすぎですね、50件くらいはあるかもな?と言うのが実態です。この件数のために電子帳簿保存法対応のシステムを導入するのはあまりにもバカバカしいので、簡単に対応できる方法はないかな、と調べてみました。

3.規程文書の準備
BUFFALO社にこのような情報サイトがあります。とても分かり易くまとめてありますので今回はこのサイトの情報を参考にさせて頂きましょう。考慮すべき課題として
・改ざん防止のための措置をとる【真実性の確保】
改ざん防止システムって何じゃ?といきなりハードルが高すぎる気がしますが、「改ざん防止の事務処理規程を定めていればそれでOK」と説明があり、国税庁のサンプル規程へのリンクも案内してあります。
リンクを辿って国税庁の「電子帳簿保存法関係参考資料」のページヘ行って見ると「電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」サンプルが載っていますのでそれをそのまま利用させて頂くこととします。
「真実性の確保」のための準備はこれだけです。
は?規程準備すれば良いの?って鋭く思ってしまった方もいらっしゃると思わなくもないではありませんが、まあそこは「日本企業の伝統文化」みたいなものでして、藪をつついて「じゃあシステム導入必須ね!!」と言われるのもアレですしね。

4.検索用帳簿(表計算ソフト)の準備
・⽇付・⾦額・取引先で検索できるようにする【可視性(検索機能)の確保】
次に考えるのが検索機能についてです。これに関してはあちこちのサイトで「ファイル名を工夫する」的な解決方法が案内されています。具体的にはファイル名を
YYYYMMDD+顧客コード+金額.xlsxと言うようなネーミング規則とするなどが紹介されていますが、ちょっとこれは面倒ですね。
先ほどの国税庁「電子帳簿保存法関係参考資料」のページに「索引簿の作成例」というexcel形式ファイルがありますので今回はこれを利用します。日付、金額、取引先の検索はこの索引簿Excelを使ってやれば良いということで、これならファイル名を編集する手間もなくなりますのでかなり簡単に対応できそうです。
とは言えサンプルの索引簿は連番、日付、金額、取引先、備考項目しかありませんので、ここにファイル名(保存先)という項目を追加して使用することとします。
ファイル名(保存先)には該当する請求書PDFファイルの保管場所とファイル名を記入しておきます。表計算ソフトによってはこのファイル名をクリックすると該当するPDFをダイレクトに開くことができるようにもなりますね。

5.ディスプレイ、プリンタの準備【可視性(見読性)の確保】
まあこの辺りはわざわざ説明する必要もないと思いますが、電子帳簿いわゆる受領したPDFや検索用帳簿をどこに保管するのか、新しく何か買わなきゃならないのか?という点について。
BUFFALOさんはTeraStation良いよーとお勧めしていますがご予算が許せばどうぞ、と言う程度にとどめて、今使っているパソコンに保存して良いのか?という点について。
国税庁情報では外部装置を準備しなければならない、とは言っていませんので今お使いのパソコンでも問題ないということになります。ただしパソコンが壊れたりすると保存していたPDFや検索用帳簿もなくなってしまいますので「バックアップはしておいた方が良いよ」とされていますね。

6.その他
ともあれ、あまりコストを掛けることもなく電子帳簿保存法に対応できそうです。もちろん電子帳簿保存法に特化したシステムを導入することを否定するつもりはありません。弊社のように電子帳簿として保存する資料が月間で100件にも満たない場合は、表計算ソフトでの管理で十分かと思いますが、月間1000件管理する必要があると言った場合は、毎日表計算ソフトに50件近い情報を入力することになりますので、検索用帳簿方式の方がむしろコストアップに繋がるかも知れませんね。またその場合、年間で1万件を超える台帳を管理することになりますので台帳管理方式はちょっと厳しすぎやしませんか?と言う気もします。

ところで、先日この電子帳簿保存法についてお客様とお話していた際のことですが...
お客様「電帳法ってPDFを印刷しちゃダメってありますよね」
わたし「そうですね、印刷して保管しちゃならんって言ってますよね」
お客様「印刷してレ点チェックみたいな作業もダメなんですかね?」
   「会計士さんや税理士さんへ渡す資料もUSBに入れて渡すの?」
わたし「メンド臭すぎますよねえ...」
お客様「そう考えて電子帳簿保存法を見てみると『印刷して保管はダメ』ってあるけど」
わたし「ふむふむ」
お客様「『印刷してはダメ』とは書いてないんですよね
   「つまり保管するための印刷はダメだけど印刷するだけだったら良い
   「そのあとシュレッダーにかけちゃえば良い、ってことになる」
わたし「えーそうなんですか😆
   「「紙の削減でSDGsに貢献できる」とか言っているのは一体?」

さて、ホントの所はどうなんでしょう???

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