VMware vCenter Converter

数年ぶりでお客様のWindowsServer環境をVMware vCenter Converter Standalone を使用して仮想環境のゲストOSに移行しました。こうした作業は自社内に物理的にWindowsサーバ一式を導入されるお客様が徐々に減りつつあるに伴って数年に一度しか行うことがなくなっています。
そうなると当然作業のたびに数年前の作業ノートを見直すことになるのですが、何をメモっているのか古文書解析作業となってしまう...あるあるですね。そこでこの機会に改めて記録しておきたいと思ったわけです

1.VMwarevCenterConvertorをダウンロードし、Windowsパソコンにインストールして実行します。以前まで作業に使用していたWindowsPCが使えなくなってしまいましたので、今回からmacbook&parallels環境下に作ったWindows10にConvertorをインストールして使用することにします。

2.インストール完了後、Convert machine アイコンをクリックして変換ウィザードを開始し、まずは変換元を指定します。変換元のWindowsマシンのIPアドレス、管理者アカウント、パスワードを指定します。この時変換元は当然のことですがConverterからネットワーク上見えている必要があります。

Converterからネットワーク上に変換元マシンが見えていない場合、Unable to contact 〜というエラーメッセージが表示されます。このトラブルは今までにも何度も遭遇しているのですが、その度ごとにあれっ?と焦りまくることになり以前の作業ノートを見返すことになるのですが、ノートには肝心な情報が書いていなかったりします。
これまでのケースでは
 ・変換元WindowsのFirewall設定が有効になっているため  → 全て無効にしておく
 ・LANのチーミングがされている場合はチームを解除しておく→ まれにこの現象に出くわしました
あたりに気をつける必要があるようです。

3.変換元マシンをConverterがうまく認識できると変換元マシンにインストールするagentアプリケーションは自動削除するか?それとも手動で削除するか?と聞かれます。どちらでも構わないと思いますが、いつもは手動削除「I will manually uninstall」を選択しています

4.次に変換先のVMware vSphere サーバを指定します。ということは、当然変換先もConverterからネットワーク上に見えている必要があります。変換元と変換先が同一ネットワーク上にない場合の変換方法もあったようにも記憶しているのですが失念しましたのでここでは省略
変換先サーバのIPアドレス、管理者アカウント、パスワードを入力します

5.セキュリティ警告が表示されます。このメッセージはvSphereの環境構築により表示されたりされなかったりすると思いますが、WARNINGですのでこのまま先に進みます

6.変換先サーバに格納する際のゲストOS名称を付けます。ここまでIPアドレスにボカシを入れたりなどはしていませんでしたが(クラスCのプライベートアドレスなので)、ここのゲストOS名称はサーバの目的が明らかにわかってしまい差し障りもあろうかと思いますので墨塗りさせていただきました

7.ここから移行元を移行先へどうやって移行するのか、などのパラメータを指定していきます。移行先のDISK空き容量が表示されており、datastore1に約430GB弱の空き容量があることがわかります

8.次に進むと移行元のゲストOSの状態が表示されます。Data to copy 項目に致命的警告が表示されていますね。移行先物理サーバの空き容量は430GB弱でしたが、移行元ゲストOSのCドライブサイズが557.31GBと表示されていますので、容量不足で移行できないよ、という警告です。今回の移行作業の調査段階で把握していたことなのですが、移行元より移行先のDISKサイズが大きくないとエラーとなってしまいます。
Windows2012あたりからDISKの空きスペースを削除する、という作業を行うことができるようになりましたので移行元OSに広大な未使用領域がある場合は、あらかじめそれらの領域を開放しておくことができますが、Windows2003などでは領域圧縮機能はなかったように記憶していますので、移行設計段階でDISKの必要容量をしっかりと見積もっておく必要がありますね。

また移行元のボリューム情報をよくよく見ると、¥¥?Volumeで始まる領域、ボリューム名称がない領域が表示されています。以前移行作業を行なった際に「ここら辺は移行しなくても良いんじゃないか?」と思い、移行対象から除外したことがありました。結論から言うとこれらを除外すると正しく移行できないようです。たぶんブートパーティションがどこかに格納されているんだと思いますが、どの領域が何を意味しているのかまでは調べておりませんので、まずは全てにチェックを入れておく、がベターなようです

ともあれ、移行元の空き領域を開放し、何とか移行先領域の範囲に収めることができました

9.この後、最終確認画面が表示されFinishボタンをクリックし、コンバート作業を開始します。コンバートに必要となる時間が画面上に表示されますが、この時間はあまり参考にならないようですparallels上に作った仮想OSというのも理由の一つかとも思いますが、移行対象のDISKサイズが500GBほどであればそれなりに6時間ほど処理時間が必要だったようにも思いますのでいずれにせよ気長に待ちます。またとても悔しいことですが、コンバートエラーとなる場合、Statusが90%超となり「あーようやく終わるなあ...」という頃合いを見計らってエラーとなりますので、移行サイズが大きい場合や移行処理時間に余裕がない場合は精神的に大きな痛手を被ります(笑。
この作業は時間的余裕を多めに見積もっておくか、移行本番前に一度リハーサルを行って所要時間、エラー発生の有無を確認しておくのが良いでしょうね。

10.今回はCompletedと表示されましたので無事終了です。このあとCPU、メモリ割り当て、ネットワークなどの設定変更を行なって最終的にゲストOSが正常に稼働することを確認していくわけですが、経験上から言うとここまでの作業が完了できていればゲストOSが起動しないということはないように思います。ゲストOSの各種ドライバが物理サーバに対応していない場合でもVMTOOLSをインストールすることにより問題クリアとなるケースが多いように思います。

以上、VMware vCenter Converter を使ったサーバ移行についてでした。

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