vSphereが「Loading /state.tgz」で停止

2024年3月初頭に事務所のプチ引越を行いまして若干事務室内が広くなりました。何となくヤドカリみたいな心持ちもしなくはありませんが、新しい事務室には窓もあり、外の景色も少しだけではありますが見えるようになり、とても気持ちの良いものです。
その際事務所内で使用していたvSphere搭載サーバーも当然ながら引っ越しした訳ですが、とんでもないトラブルに見舞われ、サーバーの再インストールを余儀なくされたのでありました。

物理サーバーを引っ越しする際IPアドレスを変更する必要があったため、サーバーにHDMIケーブルを挿し電源を投入したところ、

Loading /state.tgz

Module content is likely corrupt.
gzip_extract failed for /state.tgz CRC error

と言うエラーメッセージを表示しvSphereが起動しません。何度か電源再投入を繰り返しても状況は変わらず....
とりあえず思いつくキーワードでググって見ましたが、参考となるような事例もなく似たような事例としては「Fatal Error: 28 (CRC error) when installing ESXI7.0.0 B」、ここでのトラブル事例は「インストール時」のトラブルですね。
このやりとりでは、インストールに使用したUSBデバイスもしくはポートに原因があるんじゃないか?或いはDIMMがイカれてるんでは?とかUEFIの設定は?などなど試してご覧あれということらしいのですが、HDDからvSphereが起動しない状況ではどうしようもありません。
こんな記事もありました「クリーン シャットダウンできなかった場合に、vSphere ホストの構成変更を適用する (2001780)」。どうやらstate.tgzはvSphereの構成情報が格納される重要なファイルであるらしく、それがCRC error ってかなりマズイ状況ではなかろうか?と言うことを理解しましたが、state.tgzファイルを再構築する方法がよく(否、まったく)分かりません。そもそもトラブルの原因が皆目見当が付きません。
と、vSphereをアップグレードインストールすればゲストOS環境を残したまま復旧できるのでは?とひらめき、早速試してみることとしました。
ゲストOSのバックアップは最新ではありませんが、重要なデータは別の共有サーバに保管してありましたので、アップグレードインストールが失敗しても最悪の事態は免れることができそうです。

で、結論から先に言うと...アップグレードインストールは失敗しました😭。「最悪の事態」は免れましたが。
作業手順的には次の通りです。失敗した手順を載せてどうするの?と思われるかも知れませんね。ですが、どなたか「ここの手順が間違っているんだよ」とご教授頂けると今後のためにありがたいなあ、と言う考えであえて失敗事例をアップ致します。

USBメモリに準備したESXiインストーラを起動します。ESXiをアップグレードするか、それともインストールするか、と聞かれますのでアップグレードで進みます。


Confirm Upgrade画面が表示され、F11キーを押してアップグレードを実行します。今回はESXi6.7がターゲットでしたが、7系でも基本動作は同じかと。

インストールが開始されました...と、思っていたら、こんな画面で停止してしまいました。え?Spotlight-V100...


作業に使用したUSBメモリはESXiインストーラ用に構成した後、macのファイルコピーなどに使用していたため、macのシステムフォルダ=Spotlightフォルダが棲みついてしまいまっておりました。そのためピュアなインストーラとは言えなくなっていたのですね。たぶんそのせいでESXiインストールが停止してしまったようです(かな?)。

気を取り直してUSBメモリをクリアしESXiインストーラをUSBにセットアップします。
再度USBメモリからインストーラを起動すると

あぁぁぁぁ....
先ほどは選択できたはずのUpgrade ESXiの選択肢が無くなっています。恐らくUpgradeウィザードが19%まで進んだあたりで、以前の環境をメモリ上に保管して、DISKはクリアして、的な動作が行われていたのでしょう。

USBインストーラをちゃんと準備した上で復旧作業を行っていれば、以前のゲストOS環境を残したまま復旧できたのかも知れません。もちろん今となっては分かりませんが。
いずれにせよ、ゲストOSのバックアップは生命線だなと冷や汗をかいた事件でした(え?そういう結論か?)。

カテゴリー: vmware パーマリンク